高校時代をフォークソングを歌って過ごしていた青年も、しっかり恋をする。
「動機が不純ね」というフォークバンドは、もちろんもてたい為だったりする
高校時代、なかなか本物の恋はうまくいくはずもなく、歌手や女優さんに
夢中になる。
もともとミーハーなのであります。
それでも高校3年にもなれば、車の免許をとりに通い出す、卒業と同時に
東京で就職が決まっていたから、免許が必要なのでした。
日産チェリーなどには興味がなくても、テレビCMであの憧れの女優さん
が「久美子、君を乗せるのだから」という名コピーとともに出てきたのです。
ポスターになったり、CMだったり、雑誌の広告にのったり、その人、秋吉
久美子さんは、純情な高校生の憧れの人だったのでした。
南こうせつとかぐや姫がヒットさせた、「赤ちょうちん」「神田川」「妹」などが
次々と映画化され、その主演女優として抜擢されたのが秋吉久美子さん。
フォークを聞いて、その詞の世界が映画として表現され、決して幸せには
なれない、青春の陰を演ずるのが彼女なのでした。
1954年生まれの秋吉久美子さんは、4つ年上、映画では当然、性もテー
マとなり、我らが久美子さんが裸のポスターになったりする。
恋の次に来るものに、漠然と、確かに憧れ、衝動する。
フォークと、女優、そして車が結びついたのが、この車なのでした。
若さというのは、時間が無限にあること、限りなく一緒にいられると思った
夏は過ぎ、冬が来て、受験、就職と別れ別れになる季節が来る。
青春の時間が無限ではないと気づいた頃のことでした。
日産チェリー、久美子、君を乗せるのだから。
わが、チェリーな青春時代の頃のことでありました。 (28 イチロー)