平成30年度2学期終業式12月21日

カテゴリー │浜名高校校長挨拶編集部

平成30年度2学期終業式12月21日
 今日で2学期が終わりとなります。皆さんにとってこの2学期はどのような学期だったでしょうか。明日から始まる冬休みの前に自分自身の学習や部活動、また行事などへの取組みを今一度振り返ってみてください。
 さて、皆さんも承知のとおり、年が改まって来年の春には現在の「平成」と言う元号が新たな元号に変わります。そのこともあり、最近は社会全体の中で、この「平成」と言う時代を一度総括して、来るべき次の時代をどう迎えるかと言う議論が高まっています。
 様々な論点があるわけですが、その中の一つに、「持続可能な社会を作ろう、作っていこう」というものがあります。これは、主に環境問題に端を発したものでしたが、最近は、「災」という漢字が今年の象徴として選ばれたように、度重なる大きな災害の発生やますます深刻化する少子高齢化の到来、更にはAIやIOTなどの技術革新によって起こる社会の大きな変革の中で、これまで通り、またこれまで以上に、私たち一人ひとりが、時代を超えて、人として、その幸福を追求することができるような社会をしっかりと築いていかなければならないという問題意識、もっと言うと危機感の表れだと私は捉えています。
 ところで、このような誰もが納得できる大切な目標がある一方で、残念ながら社会の中には同時にそれを阻むものがあることも事実です。実は今日、生徒の皆さんに伝えておきたい私の話の中心はここなのですが、皆さん、その阻むのもとは何だと思いますか?きっと様々なものが思い浮かんでくると思いますが、今日この場で私が取り上げるのはその中でも人の心に関するものです。
突然ですが、皆さんは「3だけ主義」という言葉を聞いたことがありますか。数年前から有識者の間で言われてきている言葉です。具体的には「今だけよければ」「金だけ儲かれば」「自分だけよければ」という3つの「だけ」を中心とした考え方、生き方を指すものです。
有識者の方々が、平成と言う時代を振り返ると、どうもこの「3だけ主義」が社会の中で広がりを見せてきており、それ故様々な問題が起こっている。そして、この「3だけ主義」こそが、先ほど話をした「持続可能な社会の構築」を阻む大きな原因となると警告をしているのです。
実は、皆さんが高校で学ぶ意味、意義と言うのは、将来、社会の大切な構成員の一人となるためこの「3だけ主義」に陥らないようにする。もっと言うとその対極にあるものを身に付けるためだといっても過言ではありません。
具体的に言うと、
「今だけよければ」という刹那主義ではなく、
○将来をしっかり見据えて今の生活を送る。もっといえば、本校の校訓『志はるかなれこそ 若き日をかくこそ惜しめ』の姿そのもの。
「金だけ儲かれば」ではなく、
○お金では計れない、お金では買えない、人として本当に価値あるものを探し求める。また、それを大切な目標とする。
「自分だけよければ」という利己主義ではなく、
○人との繋がりを大切にして、周囲の人とともに一緒に幸せを目指す。「やさしさ」「おもいやり」「いたわり」を大切にする。「利他」の精神
そのような、生き方、人としてのあり方を学校生活の中で身に付ける。当り前といえば当たり前のことですが、皆さんには、これらのことを、高校で学ぶ大きな目標として今一度確認してほしいと思います。
幸い、私の見る限り、この浜名高校では、約4か月にわたったこの2学期の間、生徒の皆さんにとっては、学習、部活動、学校行事、そして普段の学校生活の中で、今、話をしたような生き方、人としてのあり方を学ぶ機会が多かったのではないかと思いますが、どうですか?
是非、皆さん一人ひとりの中で、学期の終わりに当たって、その反省に、また来るべき新しい年を迎えるに当たっての目標設定に、今、私が話したような視点を取り入れてほしいと思います。
最後に、3年生に一言。
この場にいる多くの人が、これから卒業、そして進路実現を獲得するまでの期間の中で大きな試練を経験することになると思います。しかしながらこれを乗り越えることで、皆さんは人としての成長を大きく成し遂げることは間違いありません。ぜひ頑張ってほしいと思います。また、先生方、保護者の方々、中学校の先生方もそんな皆さんを応援していることを伝えておきます。
それでは、来年1月7日の3学期の始業式で、有意義な冬休みを過ごした皆さんに再び会うことを楽しみにしています。


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